彼は特段、副業で収入を得たかったわけでもあるまい。
「趣味と実益を兼ねて」ではなく、趣味allであったろう。
そのときには思いもしなかっただろうが彼は、ここは謝礼金、出演料を受けとるべきではなかった。兼業禁止をしっかりと受けとめ、考えるべきだった。
「兼業禁止? 公務への信用を著しく失墜させた? えっ、どういうことです? 私はなんら、本業以外から収入を得ていませんがなにか? 消防署は皆勤で勤めていますがなにか?」そうオカミに申し開きしていたら、さぞかし小気味のいいことだ。