9月25日 11時10分

東京都内で、知的障害がある女性をビルに連れ込んで乱暴したとして48歳の男が逮捕されました。女性は、およそ1年半の間に少なくとも4回被害を受けていたということで、警視庁は、男が抵抗したり被害を訴えたりできない女性に性的暴行を繰り返していたと見て調べています。
逮捕されたのは東京・渋谷区代々木の元会社員、宮崎彰人容疑者(48)です。

捜査関係者によりますと、去年とおととし、東京都内で知的障害がある30代の女性をビルのトイレに連れ込んで乱暴した疑いが持たれています。
宮崎容疑者は、この女性の自宅に侵入して乱暴したなどとしてすでに2回逮捕・起訴されていて、これまでの調べによりますと、女性はおよそ1年半の間に今回の事件も含めて少なくとも4回被害を受けていたということです。これまでの調べで、もともと女性とは面識がなく、通りかかった際に見かけたのがきっかけだということです。

警視庁は、抵抗したり被害を訴えたりできない女性に性的暴行を繰り返していたと見て調べています。捜査関係者によりますと、調べに対して、黙秘しているということです。
専門家「被害者の声をくみ取る必要」
障害者の性被害に詳しい黒松百亜弁護士は「知的障害者の場合、性的な暴行の被害を受けてもそれが被害だと認識できない人も多く、認識できたとしてもうまく表現できない人もいる。小さいころから自分が社会から阻害されている、劣っていると感じていて、被害を受けても我慢してしまうケースが多い」と話しています。
また知的障害者が被害者の場合は、特に、刑事事件として立件することが難しいのが現状だとして「被害の相談を受けて一緒に警察に行ったこともあるが、客観的な証拠がなく被害者の供述だけでは不十分だとして泣き寝入りすることも多い。被害者の声をくみ取る取り組みや対策が必要だ」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170925/k10011155061000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002