針も通さぬ硬い絆? ゾウムシと細菌、1億年前から共生
朝日新聞:2017年9月26日10時11分
http://www.asahi.com/articles/ASK9M56RLK9MUJHB00L.html

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クロカタゾウムシ(産業技術総合研究所提供)


 甲虫の一つ「クロカタゾウムシ」の針も簡単に通さないほどの外骨格の硬さの秘密は、体内で共生している「ナルドネラ」という細菌のおかげであることを、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などの研究グループが突き止めた。
米国科学アカデミー紀要のオンライン版に掲載された。

 同研究所生物プロセス研究部門の深津武馬・首席研究員によると、クロカタゾウムシは体長1・5センチほどで沖縄・八重山諸島に生息している。
標本用のピンがなかなか通らないほど、甲虫の中でもとりわけ外骨格が硬いという。

 昆虫の外骨格はキチン質とたんぱく質が結合してできているが、この結合にはアミノ酸の一種「チロシン」が必要になる。
クロカタゾウムシはこのチロシンを、体内で共生しているナルドネラ菌から大量に得ることで、硬い外骨格を形成できるらしい。

 抗生物質などを使って幼虫の体…

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