http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170927/k10011157961000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_035

スーパーコンピューターをはるかにしのぐ計算能力を発揮するとされる「量子コンピューター」の活用について話し合う会合がアメリカの首都、ワシントン近郊で開かれ、宇宙探査の計画や気候変動の解析など、さまざまな活用の可能性が報告されました。
量子コンピューターは、従来のコンピューターが「0」か「1」の2進法で情報を表すのに対し、「0」であると同時に「1」でもあるという、電子など極めて小さな世界の物理法則を応用することで超高速の計算が可能になるとされ、例えば渋滞の解消など、組み合わせの数が多すぎてどれが最適か計算が困難だった課題の解決に役立つと期待されています。

26日、世界で初めて量子コンピューターを販売したカナダのベンチャー企業が活用方法について話し合う会合をワシントン郊外で開き、関係者およそ80人が参加しました。

会合では、NASA=アメリカ航空宇宙局の担当者が量子コンピューターを宇宙探査の計画策定や欠陥の分析に活用しようとしていると報告したほか、アメリカのオークリッジ国立研究所の研究者は、気候変動の解析などへの活用を目指していると説明していました。

また、日本の企業でも、情報サービス大手のリクルートが大量の消費者データを解析して最適な広告の配信に、自動車部品大手のデンソーが渋滞の解消などに活用しようとしており、担当者が出席して情報交換をしていました。

量子コンピューターは急速に能力が向上しており、会合を主催したベンチャー企業の担当者は「これまで解けなかった課題の解決に活用できるよう協力していきたい」と話しています。

9月27日 8時35分