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死者・行方不明者が合わせて63人に上り、戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火から27日で3年です。ふもとの長野県王滝村では追悼式が行われ、噴火が起きた時刻と同じ午前11時52分に遺族などが黙とうをささげました。

3年前、平成26年9月27日に長野と岐阜の県境にある御嶽山で起きた噴火では、58人が死亡し今も5人の行方がわからないままです。

噴火から3年となる27日、ふもとの長野県王滝村では正午前から地元の自治体が主催する追悼式が行われ、ことし建てられた慰霊碑の前に遺族や地元の関係者などおよそ230人が参列しました。そして、噴火が起きた時刻と同じ午前11時52分にサイレンが鳴らされ、参列者全員で黙とうをささげ犠牲になった人たちを悼みました。

このあと王滝村の瀬戸普村長は「犠牲になった方が志半ばで人生を奪われたことを思うと胸が引き裂かれる思いです。今後は山頂付近の山小屋の再建や修繕をはかるなどして安全確保に努めていきたい」と述べました。

また、遺族を代表し、息子を亡くした長野県東御市の荒井寿雄さんが「早く5人の不明者が家族のもとに帰ってほしい。私には御嶽山からすすり泣きの声が聞こえてなりません。さらなる火山防災のため活動を続け、『用心を怠ってはならぬ』という教訓を後世に伝えなければなりません」と述べました。

御嶽山は先月、噴火警戒レベルが2から1に引き下げられ、地元の自治体は火口からおおむね1キロの範囲で継続している立ち入り規制の解除に向けて検討を進めていて、噴火で荒廃した山頂の山小屋を取り壊し新たに避難シェルターに建て替える工事を始めるなど、山頂付近の安全対策も本格化しています。

しかし、突然の噴火の際に登山者を迅速に避難させるのは容易ではなく、今後、登山者への情報伝達の在り方も含めた対策をどう進めていくかが課題となっています。

慰霊登山の遺族「この山に弟たちが」

御嶽山には、噴火で弟夫婦を亡くした猪岡孝一さんも慰霊の登山に訪れました。猪岡さんは「3年目ですが、ここで弟たちに会うのが当然かなと思って来ました。お墓は別にありますが、やはりこの山に弟たちがいるような気がしています。本当に山が安全になるまで、今後も登り続けたいです」と話していました。

9月27日 13時35分