http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170927/k10011158831000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_005

いわゆる「袴田事件」で、再審・裁判のやり直しが認められる決め手となったDNA鑑定について、2人の専門家が、東京高等裁判所で証言しました。鑑定を検証した専門家が、手法などに疑問があると証言したのに対して、鑑定を行った専門家は、検証のやり方に問題があると説明しました。

昭和41年に今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定していた袴田巌さん(81)について、3年前、静岡地方裁判所は、犯人のものとされる衣類の血痕のDNA型が袴田さんと一致しなかったという鑑定結果などをもとに再審を認める決定を出しました。

検察は、抗告してDNA鑑定の検証を求め、26日と27日、東京高等裁判所の非公開の法廷で、鑑定を行った筑波大学の本田克也教授と、鑑定の手法を検証した大阪医科大学の鈴木廣一教授が証言しました。

袴田さんの弁護団によりますと、鈴木教授は鑑定の手法や結果に疑問があると証言したということです。

これに対して、本田教授は、弁護士などが同じ手法を試してもDNAを抽出できたとして、第三者でも再現可能な信頼できる手法だという趣旨の説明をしたということです。

そのうえで、検証では使われた器具や手順が実際のものとは異なり、問題があるという説明をしたということです。小川秀世弁護士は「今回の証言で心配はなくなった。裁判所に抗告を退けてもらうだけだ」と話しています。

9月27日 21時12分