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大日本帝国を滅ぼして今の世界にしたアメリカには 日本の代わりに一定の血を流す義務がある

■アメリカは戦う相手を間違えていた■ 歴史はひとめぐりして、アメリカはアジアから去っていく

 この頃(朝鮮戦争時)、アメリカでは、"We fought the wrong enemy."
(我々は戦う相手を間違えていた)という言葉が人口に膾炙していた。
日本と戦ったのは誤っていた、という認識である。
日本を大陸から駆逐したものの、アメリカは共産主義勢力に中国大陸を奪われ、
さらに朝鮮では自ら血を流して戦わなければならない羽目に追い込まれた。

戦後、米国国務省で対ソ封じ込め外交を立案・成功させたジョージ・ケナンはこう主張して、
ルーズベルト政権がとった「ソ連と協力し、日独を叩く」という政策を根本的に批判した。
日本が戦前果たしてきた共産主義の防波堤という役割を、日本を駆逐したために、
アメリカが自ら担わなければならなくなった、という反省だ。

「今日われわれは、日本人が韓満(朝鮮、満洲)地域で半世紀にわたって
直面し背負ってきた問題と責任を自ら背負い込むことになったわけであります。
他人が背負っている時には、われわれが軽蔑していた、
この重荷に感じるわれわれの苦痛は、当然の罰であります。」