■目立つ寄付募集「日本は多くないから」

ウィキペディアへのアクセス数で日本は、アメリカに次ぐ第二位ですが、日本からの
寄付金額は決して多いとは言えません。

2014年のデータによると、2014年6月期の寄付総額は5100万ドル(約60億1800万円)
ですが、日本からは120万ドル(約1億4200万円)でした。わずか2%ほどしかありません。

財団が日本の読者の意識調査をした結果によると、大部分の人は「ウィキペディアが
非営利組織によるページで、主に読者からの寄付で運営している」こと自体を知って
いなかったそうです。

「読者の寄付がウィキペディアの発展にいかに重要なのかを、私たちは常に訴えている」
と説明する財団。中でも日本は「寄付で成り立っていることを知らない読者がまだ多い」
ということで、「私たちのミッションや非営利のスタンス、そしてウィキペディアの中立性や
発展のために読者の寄付が頼りであることを、今回のキャンペーンを通して知って
もらいたかった」と目立ちすぎる表示の真意を明かしています。

なるほど、寄付の呼びかけが少し「うるさい」理由には、寄付を呼びかけることと、
ウィキペディアのスタンスを日本に宣伝すること、両方が入っているわけです。

一方で財団は「日本の読者へのアプローチの方法は常に模索している」とも答えました。
スマホなどのモバイルデバイスでの寄付表示を改善する工夫や、利用するユーザーからの
寄付をより簡単・効率よくできる方法も模索しているそうです。

■ということで寄付してみた

取材をした記者の私もさっそくスマホを通して、寄付してみました。

手順は基本的に以下の通りです。

(1)まずは寄付の金額を選択し、「すぐ寄付する」を押す。
(2)その後、名前とメールアドレスを記入し、「クレジットカード」か「PayPal」の寄付方法を選択。
(3)クレジットカードを選択した記者は、カード番号などを入力し、決定を押す。これで寄付完了。

予想より簡単でした。

これで終わりかと思ったら、「ありがとうございました」というページが出現。
さらにその後、先ほど入力したメールアドレスにも感謝のメールも届きました。

300円を選べば、本当にコーヒー1杯ぐらいの金額です。普段、お世話になっている人は、
一度、寄付をしてみてもいいかもしれません。