松山市のマンション販売の平均価格は2016年に約3600万円で、4年前から約1000万円上昇したことが、伊予銀行の研究機関「いよぎん地域経済研究センター」(松山市)の調査で分かった。

 約1億円で分譲された「億ション」も登場し、「優れた立地で高級感のある『ハイグレード』がトレンド」という。

 同センターが、12年以降に県内で完成した55棟(2850戸)を調べた。

 建設は約8割が松山市中心部に集中し、特に道後地区や大街道・銀天街地区の人気が高かった。県外の開発業者の参入が相次いでおり、一等地で建設することでブランドの認知度を高める狙いがあるという。

 見晴らしの良い高層階や外資系ホテルのような共用玄関などの高級感を売りにする傾向も目立つ。建設の資材費や人件費が高騰する全国的な傾向が加わり、販売価格は上昇している。

 購入者はこれまでファミリー層が中心だったが、子育てを終えて郊外から住み替えるシニア世代や、男女を問わず高所得の単身者などに広がる。将来的に手放したり、賃貸したりすることを見据え、資産価値の高さが重視されている。

 同センターは「人口減少で住宅市場が縮小する中、生活環境の良い都心部に住み替える動きが顕著となっている」としている。

http://yomiuri.co.jp/economy/20170929-OYT1T50138.html