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【米銃乱射容疑者の交際相手、東京に滞在 アジア系女性 】
2017年10月03日 10:04 朝日新聞デジタル

 米ネバダ州ラスベガスのコンサート会場で多数の死傷者が出た銃乱射事件で、捜査当局は2日、死亡した容疑者の自宅を捜索するなど動機の解明に乗り出した。
現地の警察によると、容疑者に前科はなく、米連邦捜査局(FBI)は「国際テロ組織との関係はない」としている。

 ラスベガス警察などの会見によると、犠牲者は少なくとも59人に上り、527人がけがを負った。米史上最悪規模の銃乱射事件となった。
トランプ大統領は2日、ホワイトハウスで声明を発表し、銃乱射事件を「全くの悪の行為だ」とし、米国民の結束を求めた。4日に現地入りするという。

 実行犯と断定されたスティーブン・パドック容疑者(64)は、大通りに面したカジノホテルの32階の部屋から、通りを隔てて斜め向かいで開かれていた野外コンサート会場に向けて銃を乱射した。
警官が部屋に踏み込んだときには容疑者は死亡しており、自殺を図ったとみられる。

 警察によると、容疑者は23丁の銃を部屋に持ち込んでいた。銃撃のためにホテルの窓が割られており、ライフル2丁は照準器がつけられ、三脚に据え付けられていたという。
ワシントン・ポスト紙は、容疑者が大量の銃や窓を割るためのハンマーなどの道具を用意していることから、入念に計画した上で犯行に及んだとの当局者の見方を伝えた。

 警察当局はラスベガスから約130キロ離れた町にある容疑者の自宅を捜索し、銃19丁や数千発の銃弾、爆発物などを押収した。
爆発物を警戒し、周辺住民を避難させたという。また、ホテルにとめられていた容疑者の車には、爆薬の材料としても使われる硝酸アンモニウムが積まれていたという。
ただ、爆発させるための混合物などはなかった。

 米メディアによると、自宅近くの銃器店から過去1年の間に短銃やライフルなど3丁を購入していたという。また、ネバダ州北部に容疑者が持つ別の物件があり、調べを急いでいる。

 警察によると犯行声明などは見つかっておらず、これまでのところ犯行の動機や事件の背景は明らかになっていない。
フロリダ州に住む容疑者の兄弟はCBSテレビの取材に「(容疑者は)銃マニアでもなかった。特徴はギャンブル好きというくらいしかない」と語った。
自宅近所に住むミシェル・バードさんによると、容疑者は近くのカジノの常連で、大金をかけることで知られていたという。

 過激派組織「イスラム国」(IS)系のアマク通信は事件について、「(対ISの)有志連合国への攻撃の呼びかけに応じ、ISの戦士が実行した」とする記事を配信した。
だが、FBIは関係を否定。警察も「単独犯」とみている。

 ラスベガス警察のロンバルド保安官は会見で、容疑者の交際相手で当初参考人として行方を追っていたアジア系女性が東京に滞在していると明らかにした。
米国に帰国後、事情聴取をする方針という。

 交際相手の東京滞在の情報について、菅義偉官房長官は3日の会見で「政府としては承知していない」と述べた。

(ラスベガス=金成隆一、宮地ゆう)