浜松市の天竜川で2011年、川下り船が転覆し乗客ら5人が水死した事故で、業務上過失致死罪に問われた第三セクター「天竜浜名湖鉄道」の元船頭主任・小山正博被告(68)を逆転無罪とした東京高裁判決について、東京高検が上告を断念する方針を固めたことが2日、関係者への取材で分かった。小山被告の無罪が確定する見通し。

高検は高裁判決を受けて協議した結果、憲法違反や判例違反などの上告理由がないと判断した模様だ。

小山被告は事故当時は乗船していなかったが、船頭たちの指導者役としての責任を問われて起訴された。1審・静岡地裁は今年1月、「(他の船頭への)適切な指導・訓練をほとんど行わないなどの過失で事故を招いた」として禁錮2年6月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡したが、2審は「被告は管理責任を負う立場になく、転覆の危険性も予見できなかった」として無罪とした。【飯田憲、平塚雄太】

配信2017年10月3日 02時30分
毎日新聞
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