0001みつを ★
2017/10/03(火) 19:37:47.51ID:CAP_USER9Neil Unmack
[ロンドン 2日 ロイター BREAKINGVIEWS] - スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立問題は、景気回復途上にある同国に冷や水を浴びせた。住民投票での独立派勝利を機に国家が分裂に向かう可能性は低いが、政治状況が経済に悪影響を及ぼす可能性は覚悟した方が良さそうだ。
今回の住民投票は、場合によっては重大な結果を招きかねない。カタルーニャ自治州政府が完全独立を決意すれば、スペインは経済の約5分の1を占める豊かな地域を失い、債務返済能力が損なわれる。欧州連合(EU)はカタルーニャが改めてEUに加盟するのを阻止するか、あるいは受け入れることによって他国での独立運動を勢いづかせるかの選択を迫られるだろう。
とはいえ、スペインが分裂する可能性はなお低い。住民投票では賛成票が90%を占めたが、投票率は42%にとどまり、中央政府は無効を宣言した。独立派の政党は住民投票の法的正統性を高めるため、カタルーニャでの早期選挙を引き起こすかもしれないが、その結果として最もあり得そうなシナリオは、独立派が中央政府からの財政自治権の拡大を改めて要求することぐらいだ。
住民投票後、金融市場が比較的落ち着いているのはこのためだ。スペイン10年国債利回りは2日朝に跳ね上がったが、ドイツ国債とのスプレッドはまだ6月時点より小さい。カタルーニャに本拠を置く銀行バンコ・デ・サバデル(SABE.MC)の株価は5%下がったとはいえ、予想株価収益率(PER)は11倍近く、欧州銀の平均的な水準にある。カタルーニャ自治州の短期債利回りは、7月以来1%ポイント上昇したが、無秩序な分裂を織り込んだと言うにはほど遠い。
もっとも、住民投票結果は余波を広げるだろう。ラホイ首相率いる少数与党政権は先週、来年度予算の先送りを余儀なくされた。今回の危機により、政権はさらに弱体化しそうだ。早期選挙となれば、左派連立政権に移行する可能性がある。カタルーニャ自治州の財政自治権が強まれば、中央政府の財政赤字は拡大するだろう。
スペイン経済は依然、金融危機からの回復途上にあり、今年の成長率は2%強と予想されている。しかし2007年に比べて就業者数は200万人近く少ない。債務の対国内総生産(GDP)比率は100%近く、財政赤字比率は3%を超えている。政治リスクの高まりに投資家が神経を尖らせることは、回復の足かせとなる。
●背景となるニュース
*カタルーニャ自治州は2日、独立を問う住民投票で賛成票が90%を占めたと発表した。投票したのは約226万人で、投票率は42.3%。
*プチデモン州首相は投票後、州議会に「法に従って」行動するよう求め、独立宣言へと道を開いた。
*スペイン政府は投票の無効を宣言。ロイターによると、ラホイ首相は9月30日、同国のすべての政党に対し、「カタルーニャの将来を考える」話し合いを呼び掛けた。
2017年10月3日 / 06:28 / 6時間前更新