底辺大学ともなれば、「少数・分数の計算」「ローマ字で自分の名前が書けない」という学力で入学してくる学生も珍しくないという。

「“勉強を好きになってもらうことを目的〜”とシラバス(学習計画)に書かれた必修科目があるくらいですから。
例えば、英語はアルファベットの読み書き、英和辞書の使い方から教えないといけないんです」と嘆くのは、私立大学准教授のNさん。

 そのため、学生のレベルを上げる補習を設ける大学も多いが、補習内容は衝撃的だ。

「教材は小学生用の算数ドリルを使用しています。ある学生が簡単な算数の計算に苦戦しているので、聞くと“問題文の漢字が読めません”って。
もう算数を教えるレベルじゃないんですよね。あるイギリス人教授は『黒板に漢字を書かないよう気を遣っている』って言っていました」(N氏)

 また、経済学部で教壇に立つ大学講師のSさんが『マルクス主義について』課題を与えたところ、珍レポートが続出したという。

「多くの学生がフィリピンの昔の大統領(※正:マルコス)について書いてきました。おそらく疑いもせず、丸写ししたんでしょうね。
ネットのコピペでもいいから、検索ワードぐらい正確に打ってほしかった。あと、サッカー元日本代表の田中“マルクス”闘莉王について書く学生もいましたね。僕の課題の出し方が悪いんですかね……」

 確かに、マルクス主義はド底辺大学生には難問すぎたのかもしれない