【ブリュッセル=森本学、バルセロナ=白石透冴】スペインのカタルーニャ州の独立問題を巡って、欧州連合(EU)の欧州議会のタヤーニ議長は4日の声明で、同州が一方的にスペインから「独立宣言」することに反対を表明した。EUに仲介を求めていた州政府に反対する姿勢を明確にした。州政府は9日の州議会で独立宣言に関して協議する考えだが、独立問題の行方はさらに混沌としてきた。

4日、カタルーニャ州のプチデモン州首相はテレビ演説で独立宣言について数日内に協議する意向を示した(バルセロナ)=ロイター
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 カタルーニャ州のプチデモン州首相は4日夜にテレビで声明を発表し、独立宣言の日時について「州機関が数日内に、住民投票の結果を取り扱う」と話した。地元メディアによると、プチデモン氏は9日朝(日本時間同日夕)に州議会で、住民投票の結果について説明する見通し。今後の独立宣言のタイミングなどに言及する可能性がある。

 ただ、独立に中央政府は反対姿勢を崩していない。プチデモン氏は「中央政府は提案があるにもかかわらず、前向きな対応をしようとしない」と批判した。同氏はスペイン国王が3日に州政府を「国の安定を脅かしかねない」と非難したことに対しても「カタルーニャとの関係を悪化させたラホイ政権に同調し、多くのカタルーニャ人を失望させた」と不満を表した。事態収拾の道筋はさらに不透明になっている。

 膠着する状況打開に向け、州政府はEUによる仲介を求めてきた。プチデモン氏は「既にいくつか仲介の提案をもらっている」と説明したが、欧州議会のタヤーニ氏は独立を強行すれば「欧州の法秩序に反し、必ずや危険な分断を引き起こす」と警告。事実上、仲介を拒否し、スペイン中央政府と州政府の双方に冷静な対話を呼び掛けた。

 欧州議会は4日、仏ストラスブールで、カタルーニャの独立問題を集中討議。タヤーニ議長の声明は討議の議長総括として公表された。

 討議にはEUの執行機関である欧州委員会のティメルマンス第1副委員長も出席した。スペイン政府の強権的な対応で独立派に多くの負傷者が出たのは「悲しむべきことだ」としつつも、自治州が住民投票を断行したのは「法の無視」だと批判。「法の支配はEUの根本で、選択可能なものではない」と訴え、中央政府との対話を促した。

配信2017/10/5 12:30
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21912700V01C17A0EAF000/

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