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女性のがんの中で最も患者が多い乳がんについて、国立がん研究センターの研究グループが、特定のタイプの乳がんについて手術をせずに、薬や放射線治療だけで治せるかを検証する臨床試験を始めました。

乳がんは国内では毎年およそ9万人が診断されている女性で最も多いがんで、ほぼすべての患者が乳房を切除する手術を受けています。

国立がん研究センター東病院の向井博文医師の研究グループは、がん細胞の中に特定のタンパク質が多くできるなどの特徴がある乳がんのうち、「HSD17B4」と呼ばれる遺伝子が細胞の中で働いていない場合は、薬や放射線治療だけでがん細胞が消える可能性があることを突き止めました。

臨床試験では、今月からこのタイプの乳がん患者など200人に対してこの遺伝子を調べて、手術や薬などの効果を分析し、手術を回避するための目印として有効か検証することにしています。

このタイプは、乳がん全体の5%ほどに当たる年間4500人ほどいて、4年をめどに新たな治療法として確立することを目指し、将来的には手術を回避できる可能性があるとしています。

向井医師は「乳がんの手術による乳房の摘出は心身ともに大きな負担となっていて、できるだけ早く実用化を目指したい」と話しています。

10月6日 5時59分