ラス・カサスはこう述べている。

「彼ら(著者注釈、白人)はようやく足が地面にとどくくらいの大きな絞首台をつくり、
こともあろうに、われわれが救世主と十二人の使徒を称え崇めるためだと言って
十三人ずつその絞首台に吊るし、その下に薪を置いて火をつけた。
こうして、彼らはインディオたちを生きたまま火あぶりにした。

「彼らはインディオたちの領主や貴族を次のような手口で殺した。
地中に打ちこんだ四本の棒の上に細長い棒で作った鉄灸(てっきゅう)のようなものをのせ、
それに彼らを縛りつけ、その下でとろ火を焚いた。
すると、領主たちはその残酷な拷問に耐かねて悲鳴をあげ、絶望し、じわじわと殺された」


彼らは非常に大きな悲鳴をあげ、司令官を悩ませた。

「そのためか。安眠を妨害されたためか、いずれにせよ、司令官は彼らを絞首刑にするよう命じた。
ところが、彼らを火あぶりにしていた死刑執行人よりはるかに邪悪な警吏は絞首刑をよしとせず、
大声をたてさせないよう、彼らの口の中へ棒をねじ込み、火をつけた。
結局インディオたちは警吏の望みどおり、じわじわと焼き殺されてしまった」

「スペイン人たちはインディオたちを殺したり、火攻めにしたり、また、彼らに獰猛な犬をけしかけたりした。
さらに、スペイン人たちはインディオたちを鉱山での採掘やそのほか数々の労働で酷使し、圧迫し、苦しめ、
結局、その罪の無い人々を全員絶滅させてしまった。

両島(サン・フワン島とジャマイカ島)には、かつて六十万人以上、いや、百万人を超える人たちが
暮らしていたのであろうが、今ではそれぞれ二百人くらいしか残っていない」