世界で肥満の子どもは、この40年で10倍以上に増え、1億2400万人に上ることがWHO=世界保健機関などの研究でわかり、WHOは食生活の見直しや啓発活動の強化が欠かせないと指摘しています。

この研究は、WHOとイギリスの大学の研究グループが200の国や地域の人々の体重と身長の記録をもとに分析したもので、10日付けのイギリスの医学誌「ランセット」に発表しました。

それによりますと、5歳から19歳までの肥満の割合は、1975年には世界全体で1%未満だったのに対し、去年は男子で7.8%、女子で5.6%となりました。

人数にすると1100万人から1億2400万人と、この40年で10倍以上に増えたとしています。

国別で見ますと、肥満の割合が最も高いのは、男子では南太平洋のクック諸島で、33.3%とこの40年で12倍に増え、女子では同じ南太平洋のナウルで、33.4%と2倍に増えています。

先進国ではアメリカで肥満の割合が、男子が23.3%、女子が19.5%に上り、3倍から4倍に増えています。

また、日本は男子が5%、女子が1.7%でした。

WHOは、子どもの肥満が増えている背景には、カロリーの高い加工食品や糖分が多い飲料水などが中心の食生活、それに、運動する機会が少ないことなどがあるとしています。

そのうえで肥満は糖尿病などの深刻な病気につながりかねないとして、食生活の見直しや啓発活動の強化が欠かせないと指摘しています。

配信 10月11日 7時33分
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171011/k10011174361000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_007