生計を支えていた配偶者や親が死亡した際、残された家族に支給される遺族年金を巡り、日本年金機構が、受給資格を失った約1000人に対し、計約18億円を支払っていたことが、会計検査院の調べでわかった。

 このうち約8億円は、消滅時効(5年)の成立により、年金機構が返還を請求できる期限が過ぎていた。検査院は近く、時効未成立分の返還手続きを年金機構に取らせるよう、厚生労働省に求める方針。

 遺族年金は、受給者が年金機構に届け出ることで支給が開始され、婚姻や養子縁組などで受給資格を失った場合、10〜14日以内に届け出なければならない。

 関係者によると、検査院は、2015〜16年度に遺族年金を受給した約7000人を抽出調査。その結果、住基ネットに登録された氏名と年金機構や年金事務所のデータに登録された氏名が異なる受給者のうち、二十数人が婚姻で受給資格を失っていたのに届け出ておらず、計1億6000万円が余分に支払われていた。検査院は実際の過払いはさらに多いとみている。

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