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フィリピン南部で過激派組織IS=イスラミックステートを支持する武装勢力と軍との間で戦闘が続く中、テロ対策に重点を置いたアメリカとフィリピンの合同軍事演習が行われ、両軍は緊密な連携を確認しました。

アメリカとフィリピンの両軍は、テロ対策に重点を置いた合同演習をフィリピン各地で実施し、11日、10日間にわたる訓練を終えて、首都マニラにある軍の施設で閉幕式を行いました。

今回の演習では、双方からおよそ1400人が参加し、観光客が集まるビーチや市街地を武装集団が襲撃したという想定のもと、人命の救助や敵を制圧する訓練などを行いました。

フィリピンでは、南部ミンダナオ島でISを支持する武装勢力と軍との間で5か月近く戦闘が続いていて、国内各地ではテロへの警戒も高まっており、アメリカとフィリピンの両軍は演習を通じて緊密な連携を確認しました。

一方、両軍の合同演習をめぐっては、これまで南シナ海で拠点構築の動きを強める中国を念頭に年に数回実施されていましたが、フィリピンの強硬な薬物対策を批判するアメリカと距離を置いてきたドゥテルテ大統領の意向を受け、この時期に行ってきた定例の演習は中止が決まっていました。

しかし、ミンダナオ島でISの脅威が高まる中、ドゥテルテ大統領もアメリカの軍事支援に感謝の意を示すなど態度を軟化させていて、今回、演習はテロ対策に名目を変えることで事実上存続した形となりました。

10月11日 20時05分