覚醒剤約2キロ(末端価格約1億4千万円相当)を自宅で所持したとして覚せい剤取締法違反(営利目的所持)などの罪に問われた男が、水戸地裁で6日に開かれる予定だった判決公判に出廷せず、出国していたことが11日、分かった。男は保釈中だった。同地裁は男の保釈決定を取り消すとともに、判決の期日を延期した。

出廷しなかったのは東京都葛飾区東金町、森本がんじよ被告(52)。

起訴状などによると、森本被告は昨年7月14日、自宅で営利目的で、覚醒剤約2キロを所持したなどとされる。覚醒剤約2キロは約10万回分の使用量に当たり、県警が家宅捜索で押収した覚醒剤としては当時、過去最大量とされた。

同地裁は3月15日、森本被告の保釈を決定。検察側は同日、決定を不服として東京高裁に抗告したが、同高裁は抗告を棄却した。

森本被告は8月14日の論告求刑公判に出廷していた。これまで約2キロの覚醒剤の所持について、ある人物が自宅に置いていったものであり、「覚醒剤であるとは知らなかった」と否認。検察側は懲役10年を求刑した。判決公判が今月6日に開かれる予定だったが、森本被告は姿を現わさなかった。

関係者によると、森本被告は9月末に海外へ出国した。保釈保証金は600万円だった。

同地裁は11日までに、森本被告の保釈決定を取り消し、保釈金を没収した。保釈を決めた理由については「裁判体の判断事項なので理由については回答できない」としている。

事件を巡っては、海外から茨城空港に覚醒剤約68グラム(末端価格約476万円相当)を持ち込んだとして、同法違反などの罪で起訴された中国籍の女=同罪で有罪判決=の取り調べなどから、同被告が浮上した。

県警が森本被告宅を家宅捜索したところ、電子レンジの裏にあったプラスチック袋や段ボール箱から覚醒剤を発見した。

配信2017年10月12日(木)
茨城新聞 クロスアイ
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