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【10月15日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)系組織に拘束され、5年ぶりに救出されたカナダ人のジョシュア・ボイル(Joshua Boyle)さん(34)は13日、監禁中に赤ちゃんだった娘1人を殺害され、妻は性的暴行を受けたと明らかにした。

 ボイルさんは13日夜、米国人の妻のケイトラン・コールマン(Caitlan Coleman)さん、拘束中に生まれた3人の子どもと共にカナダ・トロント(Toronto)に到着すると声明を読み上げ、今の優先事項は家族を守ることだと述べた。

 ボイルさんは後に首都オタワ(Ottawa)から80キロほど離れたスミス・フォールズ(Smiths Falls)の両親の家からカナダメディアに対し、自分たち家族は初めて子どもたちがこれまで知ることのなかった本物の「家」に無事到着したとメッセージを送った。

 ボイルさんはカナダ放送協会(CBC)に宛てた電子メールの中で、子どもたち――4歳と2歳の男の子と4か月の女の子――は悲惨な試練の後、新しい環境に適応し始めていると述べた。ボイルさんは悲惨な試練について詳しく語らなかった。

 ボイルさんと当時出産を間近に控えていた妻は2012年、アフガニスタンの辺境でタリバン系のハッカニ・ネットワーク(Haqqani Network)に拉致された。ボイルさん一家は11日、米国の情報に基づいたパキスタン軍の作戦によって救出された。

 ボイルさんは報道陣に対し、ハッカニ・ネットワークはボイルさんがある要求を受け入れなかったことへの報復として、夫婦の赤ちゃん――これまで存在が知られていなかった4人目の子ども――の殺害を命じたと怒りをあらわに語った。

「アフガニスタンのタリバン支配地域で普通の村人の支援活動を行っていた巡礼者とその身重の妻を拉致するというハッカニ・ネットワークの愚行・悪行を超えたのは、まだ赤ちゃんだった私の娘の殺害を許可するという愚行・悪行だけだ」(ボイルさん)

■なぜ危険な場所に

 ボイルさんはさらに妻が性的暴行を受けたことも明かした。見張り番が単独で行ったものではなく、見張りのリーダーと、ハッカニ・ネットワークの司令官の支援を受けた組織ぐるみの犯行だったという。ボイルさんは、司令官は「アブ・ハジル(Abu Hajr)」という名の人物だとしている。

 ハッカニ・ネットワークはアフガニスタンとパキスタンで活動するグループで、タリバンの副指導者でもあるシラジュディン・ハッカニ(Sirajuddin Haqqani)師が率いている。ハッカニ・ネットワークはパキスタンの軍事組織とのつながりが長らく疑われている。

 ボイルさんは、娘の殺害と妻のレイプはいずれも拉致されてから2年ほど後たった2014年に起きたと語った。ボイルさんによると、タリバンは2016年、この事件の捜査を行った上で犯罪が行われたと認め、「罪を犯した異端者」に対する措置を講じるようハッカニ・ネットワークの幹部に命じたという。

 しかし、なぜボイルさん夫婦がタリバンの支配地域にいたのかという疑問は残っている。妻のコールマンさんの父親、ジム・コールマン(Jim Coleman)さんは米ABCのインタビューで、妊娠中の娘を極めて危険な場所に連れて行ったことは許しがたいと語っている。
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(c)AFP/Mike Carroccetto

2017年10月15日 13:40 発信地:スミスフォールズ/カナダ

カナダ・トロントの空港で記者会見するジョシュア・ボイルさん。カナダ放送協会(CBC)の映像から(2017年10月14日入手)。(c)AFP/CBC NEWS
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