2017年10月17日 夕刊

 ひきこもりなど生きづらさを抱える女性たちが、男性の目を気にせずに思いを語る「女子会」が注目を集めている。苦しみを分かち合うことが、一歩を踏み出す力になっているという。昨年に首都圏などで始まり、九月からは全国各地を回る全国キャラバンもスタート。集いの場をつくるためのノウハウを盛り込んだ冊子もできた。

▼対象外

 内閣府が昨年公表した調査によると、十五〜三十九歳で仕事や学校に行かず自宅にひきこもっている人は推計約五十四万人で、このうち女性は36・7%だった。「家事手伝い」や「主婦」は対象外で、女性は社会的に孤立していても、周りから認識されず、本人たちが安心して集まれる場も少ない。

 そこで不登校やひきこもりの経験者らでつくる団体「ひきこもりUX会議」は昨年六月、初めての女子会を企画。東京、神奈川、京都、大阪で計二十二回開き、延べ七百人以上が参加した。反響は大きく、東北や九州など遠方から訪れる人も少なくなかった。

 さらに今年九〜十二月に全国十都市を回るキャラバンを開始。初回となった札幌市の会場には三十六人が集まった。四十〜五十代が目立ち、百キロ以上離れた旭川市や釧路市からの参加者も。「相談に行ったり、当事者が集まれたりする場所がない」「体験を話したのは初めて」「働きたくても、仕事がない」といった切実な声が上がったという。

▼つながる

 女子会のプログラムは二部構成。一部でスタッフが自らのひきこもり体験談を話し、二部では参加者が「働く」「親子関係」「恋愛」などテーマごとにテーブルを囲む。

 行政のひきこもり支援は就労関係が中心で、男性の視点にも偏りがちだ。UX会議の恩田夏絵代表理事(31)は「当事者同士がつながり、話を聞いてもらえるだけで元気になれるが、そうした点は公的な支援で見落とされている」と指摘する。

 参加者の中には自分で女子会を立ち上げたり、就職に向けて動きだしたりした人も。

 UX会議は事前の準備や会場づくり、Q&Aなどを盛り込んだ冊子(五百円)を作成し、運営の参考にしてもらいたいとしている。

 全国キャラバンは十一月二十四日に東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザでも開かれる。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017101702000277.html