関西テレビ 10/19(木) 20:17配信

大阪市城東区役所の新庁舎をめぐって、土地の一部を所有する社団法人が大阪市を相手取り庁舎の撤去や損害賠償を求めて裁判を起こしました。

社団法人は「大阪市に騙された」と話しています。

【城東鶴見工業会 國光省三専務理事】
「大阪市は手の平を返したような態度をとっている。騙されたとしか言いようがないですね」

激怒する工業会が求めているのは城東区役所の撤去という、過激な内容です。

【記者】
「こちら、去年建てられた大阪市の城東区役所です。大変綺麗で大きな建物なのですが、中には図書館なども入っていて多くの人が利用しています」

大阪市城東区役所の新庁舎。総工費は約69億円です。

【城東区民の女性】
「図書館も来るし、申請とかも来るし、とにかく1ヵ所に集まったから便利になった」

区民から大好評の新庁舎。しかし・・・。

【城東鶴見工業会 國光省三専務理事】
「相殺するというような合意を結ぶ前の説明ではそういう約束をしてきているのに、建物ができたとたん、倍の値段を言ってきている」

この庁舎の一部には、元々、城東鶴見工業会のビルが建っていました。

大阪市は老朽化した区役所を新しく建てるためにビルを撤去して土地を貸して欲しいと依頼したのです。

これは大阪市が2009年、工業会に提出した資料です。この中に・・・。

【大阪市が城東鶴見工業会に提出した資料】
「土地賃貸料及び建物賃貸料の算定は不動産鑑定士から教示いただいた算定方法に基づき算定した後、両者の賃貸料が同額となるように修正するものとする」

大阪市は新庁舎の中に工業会の事務所を用意し、その賃貸料を、工業会が市に貸す土地の賃貸料と同額にすることで実質的に無料で入居できるようにすると提案しました。

しかし、この6年後。

【記者】
「大阪市はこちらの工業会の土地の賃貸料と建物に入る賃貸料はほぼ同じにすると説明していましたがこちらのフロアに入る金額は土地の賃貸料の2倍を提示されたということです」

年間約600万円の支払いが生じた工業会は約束が違う!と怒っているのです。

【城東鶴見工業会 國光省三専務理事】
「せやけどなんでこんな倍の値段になったかね。なんぼなんでも倍の値段やったらうちはやっていかれやしませんしな」

これに対し大阪市は…。

【大阪市市民局 吉岡敏秀課長】
「騙したというより、そういう約束をしていないというのが本市の考えですので」

2010年に結んだ合意書には「相互に相殺することを目的として進めるが、金額に差が生じた場合は決定した金額のとおりに支払う」と書かれていると主張しているのです。

【大阪市市民局 吉岡敏秀課長】
「不動産評価審議会という第三者機関に諮問して、その上で結果を見て大阪市において決定するというのが、本市の規則上定められていますので、そのルールに従って金額を算定させて頂いた結果」

新庁舎を撤去して土地の返還と損害賠償を求めた工業会に対し、大阪市は工業会が新庁舎に入居するという約束を破ったとして裁判を起こす方針で、ピカピカの区役所を巡る対立は泥沼化の様相を呈しています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171019-00000003-kantelev-l27