運動ニューロン疾患の学生、臓器提供申し出る 中国
病前の婁さん(写真提供:取材対応者)。
http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/d/7/320x280/img_d7a9b8d86a3d2c9ed287b39aeef45b0f112994.jpg
AFP 東方新報 2017年10月19日 20:54 発信地:中国
http://www.afpbb.com/articles/-/3147290
別ソース
原??:??的身体?忱的?魂北大校友全球求助救治女博士
http://news.cnhubei.com/xw/gn/201710/W020171019501110657360.jpeg
http://news.cnhubei.com/xw/gn/201710/W020171019501110694482.jpeg
http://news.cnhubei.com/xw/gn/201710/W020171019501110700101.jpeg
http://news.cnhubei.com/xw/gn/201710/W020171019501110722938.jpeg
http://news.cnhubei.com/xw/gn/201710/t4010611.shtml


【10月19日 東方新報】北京大学(Peking University)博士課程歴史学科の学生、婁滔(Lou Tao)さん(29歳)は9日、臓器提供を申し出た。

 婁さんは2016年1月、中国で通称「少しずつ凍る病気」と呼ばれる運動ニューロン疾患(MND)と診断された。この1年余りで婁さんの筋肉と運動神経は徐々にむしばまれ、自力で動くことが困難になった。今では、自分の体をコントロールする能力は完全に失われ、病室のベッドの上で横になっている。

 病魔は、何の兆候もなく襲いかかった。15年の夏休み、婁さんが「階段の昇り降りがつらい」と漏らしていたのを、父の婁功余(Lou Gongyu)さんは覚えているという。当初は、特に気に止めなかったという。

 しかし同年10月、婁さんはふと自分の左足でつま先立ちができなくなっていることに気付き、北京大学第三医院の整形外科で検査と治療を行った。状況は良くなるどころか、治療期間中には右腕を持ち上げることが困難になった。婁さんは医師のアドバイスを受け、神経内科を受診することにした。

 翌16年1月までの間、婁さんは神経内科でさまざまな検査を行った。その結果、婁さんは運動ニューロン疾患であると診断された。

 婁さんは、非常に優秀な学生としての道を歩んできた。湖北省(Hubei)恩施トゥチャ族ミャオ族自治州から北京師範大学(Beijing Normal University)歴史学科の大学進学準備コースに07年に入学、1年後には4年制コースに進学した。成績は学科内で常に3位以内を保ち、北京師範大学の歴史学院へ推薦入学した。院生時代の3年間、婁さんの成績は常にトップで、奨学金が贈られた。有名学術雑誌にも論文を1本発表している。名門・北京大学歴史学科博士課程に合格した際も、筆記、面接試験とも1位の成績だったという。

 運動ニューロン疾患は、運動能力が徐々に衰えていく過程でも意識は常にはっきりしている。病状の進行が速いのが特徴だ。婁さんは当初は自宅療養をしており、その頃はまだ本も読めたし字も書けた。しかしすぐにペンも持てなくなった。

 婁さんは生命維持の薬を服用し、呼吸器も必要になった。呼吸器だけでも18万元(約300万円)かかった。少なく見積もっても、これまでの治療にかかった費用は200万元(約3300万円)だという。婁さんの母、汪艶梅(Wang Yanmei)さんは、故郷の湖北省で中学校の教師をしていたが、父親には収入がなかった。高額な治療費は、家族に重くのしかかった。迷惑をかけたくないと、婁さんは恋人とも別れ、友人の見舞いもほとんど断るようになった。

 16年10月に病状が悪化し、婁さんは故郷の病院に入院。翌17年1月には昏睡状態に陥り、それを機に集中治療室に運ばれた。恩師や友人たちはインターネット上で募金を募り、1万人以上から55万3000元(約930万円)集まった。しかし治療費の支払いにはそれでもまだ足りなかった。

 今年に入ってから、婁さんは看護師を呼び、口頭で臓器提供の申し出を記録してもらった。「人の命を救えるなら、できるだけすべて提供して欲しい」と話し、このニュースはインターネット上でも多くの人の心を打った。家族は今月、婁さんの臓器提供の承諾書に同意した。また、母の汪さんも娘に倣い、自分の臓器提供も申し出たという。

 北京大学歴史学院職員が、婁さんの入院先である湖北省武漢市(Wuhan)の漢陽医院を訪れ、北京大学「栄誉学生」の証書を家族に手渡した。

 家族によると、婁さんは現在は全身の筋肉が萎縮してしまい、呼吸することも、話すことも、食事をすることもできなくなってしまったという。

つづく>>2-5