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首都圏は「弥生系」7割 日本人ルーツの研究に新手法、ミトコンドリアDNAから構成比


母親から子供に受け継がれるミトコンドリアDNAの型の分布から、「縄文系」「弥生系」の構成比を求める計算式を住斉筑波大名誉教授が考案した。
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母親から子供にそのまま受け継がれる遺伝子「ミトコンドリア(mt)DNA」の型の分布から、
母方のルーツが「縄文系」の人と「弥生(渡来)系」の人の構成比を求める計算式を、住斉(すみ・ひとし)・筑波大名誉教授(生物物理学)が考案した。

7地域、約3000人を対象にしたデータによると、首都圏では弥生系が約7割と多数派で、東北や南九州など縄文社会が発達した地域では縄文系が7〜6割と多かった。
11月の日本人類学会大会で発表する。日本人の成り立ちを探る新たな方法として注目されそうだ。「日本人」は、大陸から北部九州を窓口に渡来した弥生人が、
先住縄文人の子孫と混血しながら全国に拡散、形成されたと考えられている。

顔つきなど遺伝的特徴の地域差は、拡散や混血の度合いの違いによるとされ、その解明は人類学の大きなテーマだ。各地域集団の計算結果は表の通り。
日本人の平均的集団と考えられる首都圏の弥生人の比率(71%)で、別の調査の歯の形態から割り出された現代関東人での弥生系の比率(75%)とほぼ同じだった。

逆に、縄文系の比率が高かったのが東北や南九州で、三内丸山(青森県)や上野原(鹿児島県)などの大規模遺跡に象徴される縄文社会の発達を改めて裏付けた。
のちの時代、大和王権(朝廷)に抵抗した東北と南九州も縄文的な容姿や文化を色濃く持っていたとされているが、今回の調査でその遺伝子が現代まで濃厚に残っていることが裏付けられた。
現代人にも縄文系の特徴が色濃く残るとされる沖縄は、遺伝子解析でも縄文系の割合が最高だった。縄文系が約半数だった北九州は、弥生人流入の中心地の一つだけに意外な数字だが、
母方のルーツでみた数字であり、「渡来した弥生人は男性中心で、先住の縄文人女性との間に子孫を残した」と考える説と矛盾しない。