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就職活動に不安を抱えるLGBT、性的マイノリティーの学生などを支援しようと、LGBTの人たちが働きやすい職場作りに取り組んでいる企業と学生たちとの交流イベントが21日、東京で開かれました。

イベントは東京のNPO法人が開き、24の企業と学生などおよそ500人が参加しました。
会場では企業ごとにブースが設けられ、大手証券会社では同性パートナーを結婚相手と同様に認める制度を導入していることや、LGBTへの理解を深める活動に取り組んでいることなどを説明していました。
またLGBTの啓発イベントに参加していることを紹介する企業もありました。

会場を訪れていた、体は女性、心は男性という学生は「男性として働きたいが、トイレや更衣室など会社に迷惑をかけるのではないかと悩んでいる。人事の担当者から直接、会社の雰囲気や取り組みを聞こうと思う」と話していました。

NPO法人ReBitの藥師実芳代表理事は「LGBTの学生には理解のある職場がたくさんあることを知ってもらいたい。また企業と学生、双方が意見交換をすることで、LGBTの人たちがより自分らしく働ける社会に近づければと思う」と話していました。

オリジナルの履歴書を作った人も

NPO法人のスタッフ、金澤恭平さん(24)は、女性として生まれ、男性として生きるトランスジェンダーです。もともと麻由美という名前でしたが、去年、名前を変えました。

高校生の頃は「頑張らないと女子になれない」と感じ、メイクをしてスカートをはき、「女性らしい」外見にしていました。しかし、女性として生きることに生きづらさが募り、大学2年生の時に両親にカミングアウトし、乳腺の摘出手術などを受けました。

その後、つまずいたのが就職活動でした。女性か男性か、どちらの性別で応募すればいいのか悩んでも答えが出ず、大学を休学することになったのです。

休学して1年後、金澤さんはオリジナルの履歴書を作って就職活動を始めることにしました。性別の欄に体の性、心の性、という項目を作って「体の性は女性、心の性は男性」と書き込み、その履歴書を持参し、男性用のスーツにネクタイを締めて、面接に臨みました。そして不動産会社から内定が出ました。

金澤さんは「休学前は男女どちらの性で就職活動すればいいのかわからなかったが、心の性にしたがい男性として働くと決めたことで自分らしく活動ができた。企業が『男、女ではなく金澤さんと一緒に働きたい』と言ってくれたことも自信になった」とみずからの経験について話していました。

10月22日 0時43分

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