――逮捕されればもう痴漢をしないのですか。

逮捕されても示談で解決し会社や家族に知られずにすめば、また痴漢に走る人もいます。
ほかの依存症と同様、再発防止に向けた治療プログラムの受講が必要と感じます。

■「痴漢スイッチ」が入らないような工夫が必要

――男性の誰もが痴漢になる可能性があるとしたら、それを防ぐためにはどうしたらよいでしょう。

日常生活で過度なストレスを感じている状態で、偶然女性のお尻に触れたことで「痴漢スイッチ」が入ってしまうのであれば、そのスイッチが入らないようにすることです。
満員電車を避けるか、電車内では必ず座るようにするか、常に両手でつり革を握るなどの対処法が必要です。

とはいえ、日本の満員電車でこれを常に実行するのは難しいことです。
むしろ過度なストレスをためないように、ストレスを発散する場や相談する相手を複数確保するなど、対処法を持つことが賢明でしょう。
これは努力して身につけることができる人間の処世術です。
また、もし読者の中に罪の意識を感じながら痴漢をやめられない人がいるなら、痴漢は依存症であり、治療でやめられるということを知ってほしい。今ならまだ間に合います。