大阪市の姉妹都市、米サンフランシスコ市が検討している慰安婦像と碑の公共物化への対応をめぐり、吉村洋文市長と市議会に温度差が生じている。公共物化されれば姉妹都市提携は解消と明言する吉村市長を、市議会の山下昌彦議長は「市議会には市議会の議論がある」と牽制(けんせい)。吉村市長の就任以来、続いてきた市議会との協調路線に“黄信号”がともっている。

■「吉村市長は頑固」と市会議長

 「吉村市長は頑固なところがある。市議会には市議会の議論があり、サ市との友好関係をずっと続けていきたいと考えている」

 姉妹都市提携60周年を記念し、23日に大阪市内で開かれたサ市代表団の歓迎会で、大阪市議会の山下議長はこうあいさつし、吉村市長とは異なる市議会の立場を強調した。直前には吉村市長が姉妹都市の解消を念頭に慰安婦像と碑の公共物化への懸念を表明。山下議長は吉村市長と同じ大阪維新の会所属で、公の場で市長を牽制した発言は会場をざわつかせた。

■設置したのは中国系民間団体

 サ市の中華街にあるセント・メリーズ公園横の私有地に、中国系の民間団体が慰安婦を「性奴隷」と表記した碑文と慰安婦像を設置したのは今年9月。平成26年に設置の動きが表面化して以来、橋下徹前市長や吉村市長は「日系人や日本人も多く暮らす地域の人間関係を分断する」と、サ市側に慎重な対応を求めてきた。しかし、私有地は今月17日にサ市に寄贈された。慰安婦像と碑についてもサ市議会には11月7日(日本時間同8日)に寄贈受け入れの決議案を諮る動きがある。

■市議会は「国の外交問題」と解消に否定的

 吉村市長は像や碑がサ市の公共物となることを「日本人として受け入れられない」と姉妹都市を解消することも辞さない構えだが、市議会には「歴史認識は国が扱う外交問題だ」と反対意見が多い。大阪維新は市議会に、サ市に像と碑の公有地への設置の再検討を求める決議案を2度提出したが、自民党、公明党、共産党などが反対し、否決されている。

 大阪市によると、姉妹都市の解消には法律上、市議会の議決は不要。吉村市長は「政治的な批判も受ける覚悟で進めている」と不退転の決意だが、山下議長は市長権限による解消に否定的で、「市議会が姉妹都市の提携に賛意を示した経緯がある以上、一定の配慮をしてほしい」と話す。

 山下議長は「市長には市長の考えがある」と理解を示しつつも、「大阪市の総意は市長と市議会双方の意見を反映して決まるはず」と指摘。姉妹都市の解消で「長年にわたり友好関係を支え、慰安婦像と碑の設置に反対する人もいる日系人とのつながりまで弱くなるかもしれない。市議会としてサ市で話を聞くなどの機会を設けられるよう調整していきたい」と語った。

配信2017.10.29 08:15更新
産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/171029/wst1710290013-n1.html

関連スレ
【到底認められない】慰安婦像の寄贈受ければ姉妹都市解消…大阪市長★2
http://asahi.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1508901904/