政府は、陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH1H」の中古部品をフィリピンに無償譲渡する方針を固めた。
11月に同国で開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に合わせ、
両国が協定に署名する予定だ。日本政府関係者が28日、明らかにした。

フィリピンの警戒監視活動を支援し、海洋進出を強める中国をけん制する狙いがある。

中古の防衛装備品の無償譲渡は5月の自衛隊法改正で可能になった。
政府は海上自衛隊の練習機「TC90」5機を来年3月に無償譲渡することでもフィリピンと合意している。
同国が初めての無償譲渡先となる見通しだ。

「UH1H」は輸送や救難などのための多用途ヘリ。自衛隊は1973年度に運用を始め、ピーク時は133機を配備したが、
今月上旬に最後の1機が退役した。フィリピンは同型機を配備中で、
日本は修理用に保管していた数機分のエンジンやブレードを譲渡する。

中国が南シナ海で人工島建設を進める現状を受け、日本はフィリピンの警戒監視支援を進めており、
3月には「TC90」2機を貸与。マレーシアやベトナムなども海自の哨戒機P3Cの供与に関心を示しているという。

防衛装備品の海外移転は2014年、原則禁止とした武器輸出三原則に代わる防衛装備移転三原則の策定を受け、
「移転先が紛争当事国でない」などの条件付きで解禁された。

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