山村にある人里離れた家
久しぶりに休みが取れたので
旅に出かけた

ある一軒の家
外で畑で作業している
初老のおばあさんに道を尋ねた

いろいろ話をしているうちに
今夜はそこで泊めてもらうことにした
夕方になり外の桶風呂に入れてもらい
夕食をごちそうになり
床に就いた
・・・が夕食時に
お婆さんの言った言葉が気になった

『夜音がしても気になさらずに』・・・と
そして『厠はこの奥にある』『その向かいの扉は開けてはならぬ』

やがて旅の疲れで眠ってしまった
どれほど時が経ったのだろうか
厠に起きた
たしかこっちだったなと
とあのお婆さんが言ったところに
戸がありそこから灯りが洩れていた

隙間から目を凝らすと
障子の向こうに人影が・・・とその時
向こう側からギョロっと眼が