<米国>謀略や資金洗浄など12罪で トランプ陣営幹部起訴
10/30(月) 23:32配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171030-00000129-mai-int

 【ワシントン高本耕太】ロシアによる米大統領選介入とトランプ陣営との癒着疑惑「ロシアゲート」を巡り、モラー特別検察官は30日、トランプ大統領陣営の選対本部長を務めたマナフォート氏(68)を米国に対する謀略や資金洗浄(マネーロンダリング)など12の罪状で起訴したと発表した。マナフォート被告はこの日、首都ワシントンの米連邦捜査局(FBI)に出頭し、取り調べを受けている。ロシアゲートを巡る起訴は初めてで、捜査は新たな局面に入った。

 トランプ氏はマナフォート被告の起訴を受け、「(起訴内容は)マナフォートが陣営に参加する何年も前のことだ」とツイート。大統領選でトランプ陣営とロシア政府と共謀したなどとする疑惑自体とは無関係だと強調した。

 起訴は27日付。被告とビジネスパートナーのリック・ゲーツ氏も起訴された。マナフォート被告にはロシアに近い政治家や実業家から金銭などを授受した疑惑があり、モラー氏はマナフォート被告に対する捜査を入り口に、ロシアゲートの全容解明を目指すとみられる。

 マナフォート被告は1980年代に政治コンサルタント業を始めた。昨年3月にトランプ選対入りし、6月には本部長に昇格した。しかし、その後、元ウクライナ大統領で親露派のヤヌコビッチ氏から2007〜12年にかけ計1200万ドル(約14億円)以上を受け取ったと報道され、8月に選対本部長を辞任した。また、プーチン露政権に近い富豪デリパスカ氏に米欧政財界への工作を提案し、報酬を受け取った疑惑も浮上している。

 起訴状によると、マナフォート被告は06〜15年にかけ、ヤヌコビッチ氏の非公式の代理人として活動。何千万ドルもの報酬を受領し、米国や海外の企業や口座を通じた資金洗浄に関わったなどとされる。

 ゲーツ被告は租税回避地として知られるキプロス島などでマナフォート被告関連の資産管理会社の運営に携わったとされる。

 一方、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は30日、トランプ陣営の外交アドバイザーを務めたパパドプロス氏が、米大統領選へのロシア政府介入をトランプ陣営が把握していたことを示唆する供述をしたと報じた。パパドプロス氏は当初は取り調べにロシア関係者との接触を否定していたが、虚偽の証言をしていたことを認めたという。