東名高速で交通トラブルから夫婦が死亡した事故をきっかけに、極端に車間距離を詰めたり幅寄せする「あおり運転」などの危険運転が全国的に問題となっている。本県でも交通トラブルから暴力事件に発展するケースがあり、県警は「執拗(しつよう)に追い掛けられた場合には、安全な場所に避難した上で通報を」と呼び掛けている。

 県警によると、1〜9月に「あおり運転」「危険運転」に関して警察署などに寄せられた相談は約60件。内容は「(前の車の)急ブレーキにクラクションを鳴らしたら、あおられた」「片側2車線で並走していたら、追い抜けなかったのが嫌だったのか、幅寄せしてきた」など。会津若松市の国道49号では今月、蛇行運転や割り込み運転から口論となり、暴行事件に至ったケースも発生した。

 県警は「あおり運転」をされた場合には〈1〉感情的にならずに道を譲り現場を離れる〈2〉安全な場所に避難して110番通報する―などの対応を求めている。人の多い場所へ避難することも被害防止につながる。進路をふさがれるような状態になったときには、車に鍵をかけて速やかに通報し、また、後続の追突を避けるためにハザードランプをつけるなどの対応が必要、とする。

 県警によると「あおり行為」はさまざまな法律違反が成立する可能性がある。極端に車間距離を詰めるのは「車間距離不保持」、急な減速は「急ブレーキ禁止違反」、急な進路変更は「進路変更禁止違反」、左側からの追い越しは「追い越し方法違反」などだ。

 『ドラレコ』売れ行き好調

 県内のカー用品店では、あおり被害の状況を記録できるドライブレコーダーの売れ行きが好調だ。「東名高速での事故以降、ドライブレコーダーについての問い合わせが増えた」。福島市のイエローハット福島南店では、交通トラブル対策として事業所から商品の問い合わせが増えているという。

 価格は4000円から3万円と幅広い。ナンバーを鮮明に記録できる高画質で、GPS機能や事故映像を自動で保存する「Gセンサー」機能が付いた約2万円の商品が売れ筋という。後方も記録したり、駐車中も記録するなど種類は多い。

配信2017年10月31日 08時00分
福島民報
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