アメリカのトランプ大統領の初のアジア歴訪を前にマクマスター大統領補佐官が、NHKの単独インタビューに答え、核とミサイルの開発を加速させる北朝鮮への対応について、「まず取り組むべきは、北朝鮮の政権にいかなる攻撃も圧倒的な反撃を受けると理解させることだ」と述べ、3隻の空母を派遣するなど軍事的圧力を強めることで、さらなる挑発を抑止したい考えを示しました。

ホワイトハウスで安全保障を担当するマクマスター大統領補佐官は2日、NHKの単独インタビューに答えました。

マクマスター大統領補佐官は、北朝鮮情勢が緊迫する中、アメリカが西太平洋地域に、現在、3隻の空母を派遣していることに触れ、「まず取り組むべきは、北朝鮮の政権に、いかなる攻撃も圧倒的な反撃を受けると理解させることだ。空母はそれを象徴している」と述べ、軍事的な圧力を高めることで、北朝鮮のさらなる挑発を抑止したい考えを示しました。

そして、北朝鮮が核とミサイルの開発を断念せず、今後、仮にアメリカが武力行使を決めた場合、日本に通知するのかという質問に対して、マクマスター補佐官は「アメリカは同盟国との間で、開かれた、透明性の高い関係を維持している。軍の指導者レベルの関係は極めてよく、信頼できる盟友だ。政治レベルでも絶えず調整が行われている」と述べ、日米間のあらゆるレベルの意思疎通は緊密だと強調しました。

そのうえで「日米両国は、北朝鮮をはじめとする安全保障上の脅威を評価し、どのように対応し、国民を守っていくのかについて完全に連携している」と述べ、有事の際にも情報の共有ははかられるという認識を示しました。

■米議員「武力行使は議会の承認」

アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の間で非難の応酬が続く中、野党・民主党の議会上下両院の議員らが2日、ワシントンで記者会見を開き、他国への先制攻撃を認める権限は合衆国憲法で議会に付与されているとして、大統領が議会の承認なしに北朝鮮への一方的な武力行使に踏み切らないようくぎを刺しました。

会見で民主党のマーキー上院議員は「悲しいことに、トランプ大統領の時代になり、北朝鮮との戦争の見込みはかつてなく高まっている。第2の朝鮮戦争を起こしてはならない」と訴えました。

そのうえで「北朝鮮の核の脅威は武力行使では解決できず、世界各国の同盟国と協力して外交に力をいれるべきだ」と述べ、事態の打開に向けトランプ大統領にさらなる外交努力を求めました。

配信11月3日 11時21分
NHK NEWS WEB
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