産経ニュース2017.11.4 15:00更新
http://www.sankei.com/premium/news/171104/prm1711040003-n1.html

お菓子を食べて虫歯や歯周病を予防できたら−。子供なら一度は夢見るお菓子が、製菓大手のUHA味覚糖(大阪市中央区)から発売されている。口の中の悪玉菌だけを退治し、虫歯や歯周病を予防する乳酸菌「L8020」を配合したタブレット菓子「UHA デンタクリア タブレット」だ。三井物産が、大学の研究室に“眠っていた”乳酸菌の特許を発掘。大学発の乳酸菌技術と、消費者目線でおいしさを追求する菓子メーカーをマッチングし、商品化を後押しした。

 「いくら治療しても、虫歯が再発してしまう」

 広島大大学院医歯薬保健学研究科の二川浩樹教授によると、乳酸菌研究のきっかけは、障害者施設での歯科医検診の現場だった。

 健康な人には日々の歯磨きが虫歯の最良の予防策だが、障害者や介護が必要な人にとってはハードルが高い。二川教授は「食べるだけで口の中のケアができないか」と、平成14年頃、虫歯や歯周病予防に役立つ乳酸菌の研究を始めた。

 最初に注目したのは天然の乳酸菌として知られているロイテリ菌。乳業メーカーのチチヤス(広島県廿日市市)などと虫歯予防効果を共同研究した。しかし研究成果を特許申請しなかったため、スウェーデン企業に特許をとられ、研究を中断せざるを得なかった。