ゴルフ場での昼食前に、互いのサインを書いた帽子を見せる安倍晋三首相(右)とトランプ米大統領
https://www.jiji.com/news/kiji_photos/0171105at11_t.jpg
米国のトランプ大統領(左手前)とタッチする安倍晋三首相(右端)
https://www.jiji.com/news/kiji_photos/0171105at34_t.jpg

安倍晋三首相は5日、初来日したトランプ米大統領とのゴルフ外交に臨み、「シンゾー・ドナルド」の蜜月ぶりを演出した。2月の訪米時に続き、再びゴルフを通して信頼関係を深めることで、日米同盟の強化につなげたいとの思惑がある。

「同盟をより一層偉大に」。首相は大統領に記念品として、こんな刺しゅうを入れた白いゴルフキャップを贈った。大統領が昨年の選挙戦以来、好んで使うキャッチフレーズ「米国を再び偉大に」をなぞったものだ。大統領は気に入った様子で、早速自らのインスタグラムで紹介した。
 
日本政府は6日の首脳会談を前に、両首脳が率直に意見交換できるゴルフ外交の舞台を念入りに整えた。コースに選ばれた「霞ケ関カンツリー倶楽部」は2020年東京五輪の会場。さらに、大統領のたっての希望を踏まえ、プロゴルファーの松山英樹選手の同伴も実現させた。
 
北朝鮮情勢をめぐる緊張が続く中、両首脳のゴルフに対しては危機管理面の不安を指摘する声も出ていた。しかし、外務省幹部は「ゴルフは長時間、2人だけで打ち解けた会話ができる。究極の首脳会談だ」と意義を強調する。

首相は2月、大統領の別荘があるフロリダでゴルフを共にし、通常の1.5倍の27ホールを回った。今回は日程の都合で9ホール分だったが、両首脳は約2時間、話し込む機会を持てた。

首相はプレー後、記者団に「楽しいひとときを過ごせた」と満足した表情を見せ、「ゴルフ場であれば、お互いにリラックスして本音の話ができる。難しい話題も織り交ぜながら突っ込んだ話ができた」と語った。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の活発な海洋進出で安全保障環境が厳しさを増す中、同盟深化をめぐっても意見を交わした可能性がある。 

一方、先の衆院選で「国難」と危機を前面に出しながらゴルフを楽しむ余裕を見せた首相に対し、野党側からは「重要なのは会談の中身だ」(共産党幹部)とけん制する声が上がっている。

配信(2017/11/05-20:27)
時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017110500471&;g=use