神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件で、女子高校生3人もインターネット上で知り合った白石隆浩容疑者(27)に誘い出され、犠牲となった。ネット上の交流サイト(SNS)では、中高生らがゲームや音楽など共通の趣味を装って近づいてきた人物と実際に会い、トラブルに巻き込まれるケースが後を絶たない。突然態度を一変させる人物について、専門家は「子どもがそうした悪意を見抜くのは困難」と警鐘を鳴らす。

東京都内に住む高校2年の女子生徒は昨年12月、オンラインゲームで専門学校生の男と知り合い、会話機能を通じて仲良くなった。誘われて会うことになり、今年1月、自宅近くの駅で落ち合った。埼玉県内にある男の部屋に連れて行かれると性行為になり、スマートフォンで撮影された。男は児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)容疑で逮捕された。同性を偽って少女に接近するケースもある。都の子どもネット相談窓口「こたエール」に2014年10月、「相手が女性だと思って裸の写真を送ってしまった」と相談が寄せられた。
 
少女はゲームアプリで相手と知り合い、相談に乗ってもらったことで気を許していった。写真を送った後、男だと知らされ、連絡が取れなくなった。「写真が流出しないか」と心配していたという。島田敦子相談員は「女同士、写真を見せ合おうと誘う手口は少なくない」と話す。
 
LINE(ライン)と都教育委員会が昨年6〜9月に都内の小中高生計6509人を対象に実施した調査によると、過去1年間にネット上で知り合った人物と直接会ったことがあると回答した高校生は20.4%に上った。座間事件被害者の群馬県立高校1年石原紅葉さんは事件前にも、ネットで知り合った人と東京で会ったと友人に楽しそうに話したという。
 
ネット利用の啓発に取り組む「エンジェルアイズ」の遠藤美季さんは「悪意のある利用者は、ターゲットに気に入られるように会話をしている。言葉のやりとりだけで真意を見抜くことは大人でも難しい」と指摘する。

配信(2017/11/11-14:33) 
時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017111100371&;g=soc