神奈川県座間市のアパートから9人の遺体が見つかった事件で、被害女性2人の携帯電話が神奈川県藤沢市の小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅やその周辺で相次いで発見された経緯について、警視庁捜査1課は、白石隆浩容疑者(27)=死体遺棄容疑で逮捕=が捨てるよう指示したとの見方を強めている。捜査1課は、現場アパートから約20キロ離れた観光地に捨てさせることで、事件の発覚を免れようとしたとみて経緯の解明を進めている。

白石容疑者は捜査1課の調べに、2人の携帯電話が同駅周辺で見つかったことについて「指示したかよく覚えていない」と供述。「江ノ島には何年も行ったことがない」とも供述しているという。

最初に犠牲になった神奈川県厚木市の女性(21)の携帯電話は、8月25日に同駅から徒歩数分のトイレに落ちていた。群馬県邑楽(おうら)町の高校1年の女子生徒(15)の携帯電話は同29日に同駅構内のトイレで見つかった。女子生徒の姿は前日の午後7時20分ごろ、同駅の改札付近の防犯カメラに映っていたが、その後の足取りは分かっていない。

捜査関係者によると、白石容疑者は被害者らとツイッターを通じて知り合ったとみられるが、自殺願望をほのめかす投稿をした女性に「周囲との関係を絶たなければ自殺の決心が鈍る」などと家族らへ口外しないよう指南していた。

捜査1課が白石容疑者のスマホを解析したところ、8月中旬ごろから「自殺の名所」の検索を繰り返し、神奈川県内の海や川、湖を調べたり、「人が海に沈み浮かんでくる理由」を調べたりしていたことも判明した。

◇容疑者立ち会い現場で実況見分

捜査1課は11日、一連の事件の供述を裏付けるため、白石容疑者を座間市の現場アパート付近に車で同行させて実況見分を行った。【深津誠、春増翔太、山本佳孝】

配信11/12(日) 9:10
毎日新聞
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