「児童の列に車」無職男、殺意否認 岐阜地裁初公判

2017/10/25 0:06日本経済新聞 電子版
 岐阜県海津市で2016年6月、集団登校していた小学生の列に乗用車で突っ込み、
9人にけがを負わせたとして、殺人未遂の罪に問われた無職鷲見晴美被告(69)は24日、
岐阜地裁(鈴木芳胤裁判長)の裁判員裁判初公判で「殺すつもりはなかった」と起訴内容を
否認した。

 検察側は冒頭陳述で動機について「妄想性障害の影響で近隣住民が監視などの
嫌がらせをしていると思い込み、子どもを殺害すれば、自分が受けている嫌がらせが
明らかになると考えた」と指摘した。

 その上で「心神耗弱状態ではあったが、現場の状況を把握した上で車を加速させている。
責任能力があり、殺意も認められる」と主張した。

 弁護側は「子供に危害を加える意図はあったものの、殺意はなかった」とし、傷害罪に
とどまると反論した。

 起訴状などによると、集団登校中の児童を車ではねて殺害しようと16年6月30日午前7時半ごろ、
海津市の路上で、児童の背後から時速約40キロで突っ込み、9人に軽傷を負わせたとしている。

 岐阜地検は事件当時の精神状態を調べるため、鷲見被告を鑑定留置、刑事責任が問えると
判断した。

〔共同〕