>>558の続き

同社では、実用化に向け、2年ほど各地の介護施設で実証実験を行っていた。
さまざまな介護施設との交流を通じて、介護現 場が抱える“排泄ケア”の問題を目の当たりにしたという。
「深夜でも10分に1回くらいの間隔で入所者からの呼び出しブザーが鳴っていました。
そんなときに、一人の入所者が失禁してしまえば、体を拭いて服を着替えさせて、シーツ替えで、10〜20分間その人につきっきりになってしまいます。
その間ほかの入所者からも呼び出されて、すべてに対応しきれない状態でした」
多岐にわたる介護業務のな かで、排泄介助やおむつ、尿パット替えなど、一日のうち3時間前後が排泄に関わる仕事だという。
また、 入所者に自力排泄を促すために、定時にトイレに連れ ていくトイレ誘導は、誘導しても排泄できない、いわゆる空振りをすることが多い。トイレ誘導の空振りが続くと、介護者はおむつ交換に切り替えて、入所者を寝たきりにしまうケースもあるそう。