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11月17日 17時38分福島第一

東京電力福島第一原発事故により出た放射性物質を含む指定廃棄物などの最終処分場が、全国で唯一設けられている福島県富岡町で、17日、指定廃棄物を埋め立てるための搬入作業が始まりました。

搬入作業は17日朝から始まり、原発周辺で出たがれきなどを燃やした焼却灰を積んだトラックが富岡町の処分場へ入りました。

ここで最終処分されるのは、放射性物質の濃度が1キロ当たり8000ベクレルより高く10万ベクレル以下の廃棄物で、17日は廃棄物の入った容器がクレーンで埋め立て地に置かれていきました。

環境省は、放射性物質の流出を防ぐため専用の容器に入れたりセメントで固めたりして埋め立てる計画で、その後も地下水や周辺の河川などの調査を続けることにしています。

原発事故に伴って東北や関東で出た指定廃棄物は、国の方針でそれぞれの県で処分されることになっていますが、地元の反発から最終処分場が設けられているのは福島県だけです。

また、福島県内でも根強い反対があり、処分場への搬入路がある楢葉町の2つの行政区のうち1つでは国と地元の安全協定が結べていません。

環境省福島環境再生本部の小沢晴司本部長は「福島の復興再生のために地元自治体や県に事業を受け入れてもらい、搬入を始めることができた。引き続き地元の住民にしっかり向き合い、説明をしたい」と話しています。

環境相「信頼関係構築に全力」

東京電力福島第一原発事故に伴って出た放射性物質を含む指定廃棄物などの最終処分場への搬入が、福島県富岡町で始まったことを受けて、中川環境大臣は、17日の閣議のあとの記者会見で「福島県と、富岡町、楢葉町の思いを真摯(しんし)に受け止め、今後も安全確保を大前提に適切に事業を進めるとともに、地元住民の皆様との信頼関係の構築に全力で取り組んでいきたい」と述べました。

そのうえで、処分場への搬入路がある楢葉町の2つの行政区のうち1つでは、国と地元の安全協定が結べていないことについて、「今後も引き続き、事業の必要性や安全対策、環境対策のほか、進捗(しんちょく)状況などについて説明していく。そのうえで協定の締結について機会をいただけるのであれば適切に対応させていただきたい」と述べました。