11/20(月) 12:02配信

 電話やメールなどを使って、現金をだまし取る特殊詐欺事件。青森県内では今年、10〜30代の若い世代を狙い、電子マネーやプリペイドカードなどで現金をだまし取る架空請求事件が増加傾向にある。現金をやりとりする手段が多様化する中で、青森県警は「これまでの特殊詐欺と防ぐ方法は変わらない。身に覚えのない請求には応じないで」と注意を促している。

 県警によると、今年(11月13日現在)発生した特殊詐欺事件は45件(前年同期比9件減)で、被害総額は約6500万円(同約1億円減)と減少傾向になっている。この数年は「オレオレ詐欺」や「還付金名目詐欺」などが横行し、60代以上の高齢者がターゲットとなっていた。窓口での声掛けや広報活動といった金融機関や県警などによる“水際対策”が成果を上げている形だ。

 ただ、県内では若い世代への被害が徐々に増えつつある。年代別に被害件数を見ると、10代が1人、20代が4人、30代が6人で全45件中の約25%を占める。2016年は30代以下の被害は5件で、全68件中10%以下とわずかだった。

 また、県内では今年、特殊詐欺のうち架空請求事件が28件発生。プリペイドカードで支払いを要求し、相手に数万円から十数万円ほどの額を提示するケースも目立つ。つい支払えてしまう額であることが、詐欺への警戒感を緩めてしまっているようだ。

 要求の仕方も巧妙化しており、今年発生した事件では、犯人側が「複数のコンビニでプリペイドカードを購入しろ」と、店側に不審に思われないよう指示。また、「追加の未納金がある」などとし、数万円を複数回に分けて要求するケースもあった。

 若い世代への事件の増加などを踏まえ、県警は詐欺の注意を呼び掛ける封筒を県内のコンビニへ配布。5万円以上の購入があった場合にカードを封筒に入れるよう依頼している。今後は、ドラッグストアなどの取扱店にも依頼していく予定だという。

 県警生活安全部の高坂精一管理官は「少額の請求だからといって支払わず、いったん落ち着いて誰かに相談するなど冷静に対応してほしい」と呼び掛けている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171120-00010006-dtohoku-l02