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 「長年苦しめられた悪臭と大量のハエから解放された」。神戸市東灘区の市営住宅で猫53匹を放置していた40代女性が神戸地裁から強制退去処分を受け、近隣住民は約8年ぶりに安息の日々を取り戻した。女性が残していった部屋は人間の膝の高さまで猫の糞尿(ふんにょう)が堆積。畳や家具などいたるところに汚物が染み込み、猫の死骸からは大量のハエやウジ虫がわくなど「地獄絵図」そのものだった。元々は女性が拾ってきた数匹の猫から始まった悲劇は、ペットの大量繁殖で飼い主が飼育不可能になる「多頭飼育崩壊」が背景にあった。同様の事例は全国で相次いでおり、専門家は「必ず不妊去勢手術を」と強調する。(小松大騎)

 4月7日午前9時、神戸市東灘区魚崎南町の市営住宅3階の一室へ、黒い防護服に身を包んだ清掃業者の男性作業員8人が次々と入った。部屋の明け渡しを求める市の提訴を受け、神戸地裁が悪臭による迷惑行為という市の主張を認める判決を下し、業者が強制退去に踏み切った瞬間だった。

 3DK(約60平方メートル)の室内は畳や家具、柱などいたるところに猫の糞尿が染み込み、「膝まで汚物が堆積し、田んぼに入っていくようだった」(作業員)。悪臭はゴーグルをしていても刺激で目が開けられないほどで、室内には猫53匹が野放しにされていたほか、複数の死骸もあった。

 スコップで糞尿をかき出していったが、あまりの悪臭でこまめに休憩を取る必要があった。コンクリートのように固まった糞尿もあり作業は難航。糞尿まみれの家具や電化製品、畳、床板などを撤去し、最終的に取り除いた汚物は2トントラック1台分に上った。

 作業は午後4時までかかり、作業員は放心状態で帰路についたという。

 作業に立ち会った市職員は「言葉では言い表せない悲惨な現場だった。まさか猫が53匹も放置されていたとは」と絶句する。保護された猫は市内のNPO法人などに引き取られたが、雌猫は半数近くが妊娠した状態だった。

 市や住民によると、女性が入居してきたのは平成18(2006)年9月ごろで、10〜20代の子供3人と暮らしていた。この市営住宅は鉄道の駅に近く、募集倍率が10倍を超える人気物件。女性が捨てられていた猫数匹を飼い始めたのは入居からしばらく後のことだった。本来、市営住宅ではペットの飼育は禁じられていたが、「数匹ならば」と近隣住民も最初は黙認していたという。

 住民らが異変を感じたのは21年ごろ。女性の部屋から腐ったような異臭が漂い始めた。住民らは女性を見かけるたびに問いただしたが、女性は「鼻が悪くて分からない」と意に返さない様子だった。22年末には猫が大量に繁殖し、飼育できなくなった女性が別の場所に移動したとみられる。

 この時期から女性の部屋の真下に住む男性(72)は糞尿の“雨漏り”や大量のハエに頭を悩ますようになった。悪臭とハエで窓を開けたり換気扇を回したりできなくなり、夏場には体調を崩すこともあったという。

 女性は毎日、猫に餌と水を与えに部屋に来ていたが、住民と顔を合わせるのを避けるためか、午前4時ごろにマスクと帽子姿で部屋を訪れては足早に立ち去るようになった。

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続きます

★1)11/22(水) 10:40:04.95
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