福岡県大野城市の大型商業施設で、窃盗(万引)容疑で保安員に現行犯逮捕された男が、連行しようとした警察官の拳銃を抜き取り、2発発射した事件で、福岡県警春日署は22日、発射した福岡県那珂川町、無職の男(44)を強盗殺人未遂容疑、公務執行妨害容疑で再逮捕した。

 再逮捕容疑は、10月20日、保安室で保安員から同署地域課署員2人に引き渡され、連行される際に、男性警部補の拳銃を強奪しようと決意し、警部補の首付近を片腕で絞め上げ、もう一方の手で拳銃を抜き取り、銃口を警部補に突きつけて拳銃を強奪。

 制止しようとした警部補と男性保安員に、殺意を持って拳銃を2発発射し、2人を殺害しようとしたが、保安員に加療約10日間のけがを負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げられなかった疑いと、2警官の職務を妨害した疑い。

 事件があった大型商業施設の保安室は、売り場などとは別棟にある。

=2017/11/22 西日本新聞=

引用元 https://www.nishinippon.co.jp/flash/f_kyushu/article/375185/

参考条文
(事後強盗)
第二三八条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

裁判例 〜福岡高裁昭和28年11月10日判決〜
制服を着用した警察官が勤務中着装している拳銃には、常に弾が装てんされているべきものであることは広く一般に認められていると示しました。
その上で、この勤務中の警察官から拳銃を奪い、殺害の目的をもって人に向け、発射しようと引き金を引く行為は、殺害結果という実害を生じさせる危険性があると認定しました。
この行為の危険性の高さから、たまたまその拳銃に弾が装てんされていなかったとしても、殺人未遂罪の成立に影響はなく、不能犯とはならないと判断したのです。