教職員は、津波に関してどのような情報を得ていたのか

 ・ 少なくとも1回目の防災行政無線は鳴っており、この頃、校庭にいた教職員は、これを聞くことができたと推定される。
   ただし、予想津波高(6m)の情報は含まれていない。
 ・ 防災行政無線子局(屋外スピーカー)は校庭付近にあった。
 ・ 迎えに来た複数の保護者や地域住民からは、大津波警報の発令を聞かされており、
   その情報の中には予想津波高6mが含まれていたものと推定される。
 ・ 迎えに来た複数の保護者が教職員に「大津波警報」発表を伝達。

以上のことから、教職員は、少なくとも「大津波警報(6m)」の情報は得ていたものと推定される。

 ・ ただし「予想津波高10m超」を得ていた可能性は低い。
 ・ テレビ画面上では発令直後に表示されていたが、ラジオで最も早く放送されたのは、
   FM(FM仙台)15時21分、
   AM(NHK)15時32分。

で、広報車の広報内容も聞き取れなかったと推定される

一方、消防車や河北総合支所広報車の広報は、聞こえていなかったか、聞こえていたとしてもその内容を聞き取ることはできなかった可能性がある。

 ・ 学校付近で、はっきりと「消防車」又は「広報車」の広報を聞いたという証言はない。
   (サイレンが鳴ったとの証言はある。一方、防災行政無線の第1報は冒頭でサイレンを鳴らしている。)
 ・ 消防車の広報については、証言はない(回転灯を付けた車の存在、警察車両の存在については証言あり。広報していたという証言はなし。)
 ・ 支所広報車の広報:新町裏で畑の向こう側(少なくとも 250mほど先)にある県道を戻ってくる広報車を目撃した地区住民は
   「何か言っていたが、内容はわからなかった」としている。
   県道との間に校舎という障害物がある校庭においては、それ以上に広報車の音声は聞こえにくかったものと考えられる。

E地域住民F

地域住民Fは、何かを放送しながら長面の方に向かう広報車を見たが、スピードが早く
て何を言っているのかわからなかった。広報車は長面方面から戻ってきたが、このときも
何を言っているのか聞き取れなかった。防災無線も全く聞こえなかった。堤防の様子を見
に行った2軒隣の住民から「津波が来た」と知らされ、続いて地域住民Aから「早く逃げろ」
と言われた。そのため、家族らと車で避難した。  


教員に過失なし