熊本地震引き起こした「布田川断層帯」天然記念物へ…文化庁
2017年11月23日 09時00分
http://sp.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/2/22793.html

http://sp.hazardlab.jp/contents/post_info/2/2/7/22793/000139811.jpg
2016年4月の熊本地震で出現した断層(南阿蘇村河陽周辺/国土地理院撮影)

 昨年4月の熊本地震を引き起こした「布田川(ふたがわ)断層帯」について、文化庁の文化審議会は新たに天然記念物に登録するよう文部科学相に答申した。
これで国内の天然記念物は1027件となる。

 国宝をはじめ、日本の歴史にとって重要な文化財や史跡、名勝、天然記念物は、文化審議会が審議し、文科省が文化財保護法にもとづいて指定している。

 文化審議会が今年、新たに指定した天然記念物は、昨年4月に最大震度7の地震を引き起こした熊本県益城(ましき)町の地表に出現した「布田川断層帯」。

 熊本地震では、断層のずれによって県内各地で地面の亀裂や段差などが発生し、嘉島町から益城町、西原村にかけてほぼ断続的に長さ31キロにわたる断層が地表に露出。

 特に、益城町の堂園地区では、田畑とあぜ道の屈曲が最大で約2.5メートル記録されたほか、谷川(たにごう)地区では、右横ずれ断層と左横ずれ断層が確認されるなど、地盤の複雑な動きがあったことが裏付けられた。

 文化審議会は「これらの断層は、熊本地震で起きた多様な断層運動と連続性を現しており、学術的に価値が高い一方、地震の被害を将来に伝える遺構として貴重だ」と説明している。

http://sp.hazardlab.jp/contents/post_info/2/2/7/22793/000145492.png
空から見た布田川断層周辺の亀裂分布図(国土地理院まとめ)

http://sp.hazardlab.jp/contents/post_info/2/2/7/22793/000139670.jpg
国土地理院のドローンが2016年4月に益城町下陳周辺で撮影した断層