イタリアのリチア・ロンズーリ議員は、2009年から欧州議会に選出された女性議員。
リチア議員はどういったきっかけで子連れ出席をするようになったのでしょう。

それは案外単純で、雇用と社会問題を扱うセクションで副委員長として活躍されていたリチア議員ですが、
「生まれたばかりの子どもを家に残して仕事に行きたくなかったから」なのだそう。
これは母親なら誰でも抱く感情ですよね。

イタリアではベビーシッターが少ない、というわけでもなく、むしろ子どもに対して手厚い政策を設けています。
それではなぜ、子どもが成長してもなお、子連れ出席を続けたのでしょうか?

子連れ出席を続ける理由は「メディアの反応」
子連れ出席を始めた当初、厳しい批判を受け、それが物議をかもしたとき、メディアの取材の数が激増したんだそうです。

イタリアは、子どもをとても大切にする国です。
少なくとも小学校卒業までは親は子どもの学校の送り迎えをすることが義務付けられていますし、14歳までの子どもを放置すると刑法で罰せられます。
ですから、両親が仕事に行っている間、家で一人でお留守番、なんてこともできません。
こういった文化は素晴らしいものですが、働く女性が仕事と育児の板挟みになってしまうこともしばしばあります。
これまでそういった状況に置かれた女性に対してメディアは無関心でした。

しかし、リチア議員が子連れ出席を始めたことがきっかけで、国内だけにとどまらず、諸外国でもこの話題が取り上げられたのです。
つまり、リチア議員が子連れ出席を続ける理由は働く女性の権利や労働環境について議論するきっかけをつくるためでもあったのです。

http://www.harmonyresidence.co.jp/oversea/201704/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%83%9E%E8%AD%B0%E5%93%A1%E3%81%8C%E5%AD%90%E9%80%A3%E3%82%8C%E5%87%BA%E5%8B%A4%E3%82%92%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1