●仮想通貨が暴落する理由●

(1)通貨は経済の成長とともに膨張しないと、物やサービスに対して通貨が足りなくなり、デフレになる。有限の仮想通貨は膨張できないから、円やドルに代わって通貨となることはあり得ない。

(2)毎日価格が変動するものは、決済の手段としても使えない。値上がりするのなら、使わないでじっと持っていれば良く、逆に、値下がりするのなら、買い物のために仮想通貨を持つ必要はないからである。

(3)有限であるから値上がりしているが、有限であることは通貨として致命傷であり、値上がりすることは決済手段として致命傷である。
つまり、通貨の本質と有限性及びその結果としての値上がりはトレードオフの関係にあり、値上がりを求めれば通貨の本質を捨てる必要があり、通貨の本質を求めれば値上がりする可能性を捨てる必要がある。

(4)ビットコインなどの現在の仮想通貨は、海外送金以外に利用価値が無い。

(5)中国のように資本の海外流失に頭を痛め、外貨準備を削ってでも元買いの為替介入を行っている国にとって、海外に簡単に送金できる仮想通貨は、迷惑以外の何物でも無い。

(6)ICO(イニシャル・コイン・オファリング)など、ほとんど詐欺といえる手法が広まってきていている。

(7)マイニングは初期の段階では容易だが、時間が経つにつれ難しくなる。仮想通貨を囃し立てることにより儲かるのは初期の段階でマイニングした者であり、ネズミ講の要素を持っている。

(8)ブロックチェーンの技術革新とその産物である仮想通貨は分けて考える必要があり、仮想通貨は「百害あって一利なし」。