LINEは27日、国立情報学研究所(NII)と共同研究に関する覚書を結んだと発表した。2018年度にNIIに共同研究部門を設け、人工知能(AI)などを研究する。高齢化など社会的な課題の解決につながる開発に取り組み、LINEのメッセンジャーアプリやAIを搭載したスピーカーなどを通じてサービスを提供する。

 LINEは共同研究部門に自社の研究員や技術者を派遣するほか、必要な費用も負担する。社内にもNIIと連携する研究部門を設ける。共同研究部門には京都大学や東北大学でAIなどに携わる研究者も加わる計画だ。

 LINEはスマートフォン(スマホ)向けのアプリで成功したが、「タッチで操作するスマホの次は何か、を真剣に考えないといけない」(出沢剛社長)と、AIの研究に力を入れている。10月にはAIを搭載したスピーカーを正式発売した。

 同日に東京都内で開いた記者会見で、NIIの喜連川優所長は「商業的価値を前面に出すのではなく、社会に優しいIT(情報技術)を開発できないか、を主眼に置きたい」と話した。

配信2017/11/27 15:31
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23933790X21C17A1X12000/?nf=1