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2017/11/28(火) 18:12:26.24ID:CAP_USER9ピース、コロナ、ゴールデンバット……。
京都市立芸術大（西京区）で、たばこのパッケージの印刷に使われた石版画の原版など約４３０点が見つかった。確認した専門家は「元々は日本専売公社京都工場に保管されていたとみられるが、希少なものが含まれている」と注目。宝塚大（兵庫県宝塚市）で一部が公開されている。
発見のきっかけは、坂井淳二・京都市立芸術大非常勤講師や田中栄子・宝塚大非常勤講師ら４人が昨年末に構想を練り始めた「ストーン・レター・プロジェクト」だった。石版画の設備を持つ美術系の大学が少なくなる中、その魅力を若い世代に伝えることを目的とした企画だ。
原版を作る石を探していた今年６月、出原司・京都市立芸大教授から「学内にある」との情報が寄せられた。倉庫で素材となる石を確認。さらに詳しく調べたところ、その中にたばこのパッケージの原版が含まれていることが分かった。
出原教授は「日本専売公社京都工場で使わなくなったため、『大学で役立てて』という話があり、トラックで受け取りに行ったと聞いた」と話す。同大学美術学部が１９８０年に東山区から現在地に移転する際、倉庫に運び込まれたらしい。
最も古いのが、たばこが専売となった１９０４年から販売された紙巻きたばこ「チェリー」のパッケージの原版だ。配給制が続くなか、自由販売品として売り出された４６年の「ピース」「コロナ」のラベルの原版もあり、それぞれ頭文字の「Ｐ」と「Ｃ」を強調した意匠となっている。米国で活躍した工業デザイナー、レイモンド・ローウィが手がけた「ピース」や、コウモリの絵柄が印象的な「ゴールデンバット」のラベル原版も見つかった。
これら約１３０点を、宝塚大で３０日まで開催中の「ストーン・レター・プロジェクト」展に出品。坂井講師は「原版を通して、学生に石版画の面白さを知ってもらうとともに、今後、どうリサーチしていくか考えたい」と言う。
「たばこと塩の博物館」（東京都墨田区）の谷田有史学芸員は「高度経済成長期にたばこの需要が増加するとともに印刷技術も向上し、石版印刷からオフセット印刷に変わったため、日本専売公社京都工場から芸大に移ったのだろう。明治期の『チェリー』、自由販売品として発売された『ピース』『コロナ』の原版はいずれも希少で印刷史上、貴重な資料だ」と話している。（木村未来）
レイモンド・ローウィが手がけたデザインを伝える「ピース」の原版
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