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12月2日 8時47分

内戦が続くシリアで過激派組織IS=イスラミックステートとの戦いで存在感を示してきたクルド人勢力が、支配地域にある町などで一斉に議会選挙を行い、実効支配を強める動きを見せていて、新たな火種になることが懸念されています。

シリアのクルド人勢力はアメリカなどの支援を受けて、ことし10月にはISが首都と位置づけてきたラッカを制圧するなど、存在感を発揮する一方で、去年3月にはシリア北部で自治を始めると一方的に宣言し、支配地域を広げてきました。

そして、クルド人勢力は1日、支配地域にある町や郡の議会選挙を一斉に実施し、1300か所余りの投票所で投票が行われました。さらに、来年1月には自治を宣言している地域全体の代表を選ぶ議会選挙も初めて行うとしています。

こうした一連の選挙について、アサド政権は「シリアの領土を分離させる動きだ」と反発し、認めない考えを示しているほか、隣国のトルコもシリアのクルド人勢力がトルコ国内のテロ組織とつながっているとして警戒しており、ISの壊滅が実現したあと、新たな火種になることが懸念されています。